2023年07月23日
頭部の切断はたいへん 学生時代の思い出
7月2日、北海道の札幌市・すすきの のラブホで起きた、頭部が切断された男性の遺体が見つかった事件
この事件の加害者と被害者の関係性が注目されている
行きずりか 顔なじみかは 不明だが ジョニ マッチングアプリによる出会いかも と考えている
北海道警の捜査でわかってきたのは 加害者が比較的若い女性 ということ
最近 梅毒が20代女性と 50代男性に蔓延している という疫学調査もあり マッチングアプリの隆盛と関連があるのでは といわれている
今回の事件も 60代被害者と加害者の 比較的女性が 普通ではます知り合わないことから
マッチングアプリで 最近ロクインしていない60歳代の男性のメッセージ記録をたどってみるべきだ
話はだいぶ逸れてしまったが
ジョニ 医学部の2年生のときの マクロの解剖実習を思い出す
検体番号121 の渡辺氏 という わりと大柄な男性の遺体を解剖させてもらった
ステンレス製の担架に横たわる保存液に漬けられた、ご遺体を冬の寒い日の午後 毎日引き出して 日曜日以外は実習室にこもって
『解剖実習の手引き』なる、 古典的な教科書に従って 切りわけてゆく
頚神経ワナが紛失したり 副交感神経がズタズタに切断された状態で発見されたりするなか結構 楽しい実習であった
ある日 ジョニに試練が訪れる
わたしの実習マニュアルに 「首と胴体の切り離し」とあるではないか!
実習では 3人で1体のご遺体 ライヘ を受け持つ
3人に渡される 解剖のマニュアルは 全部異なる
四肢の解剖をメインにしてゆくマニュアルもあれば 内臓を開いてゆけ と指示するマニュアルもある
ジョニ パッ と一瞥し いちばん マニュアルの枚数が少なそうなものを選んだのだが
まさか 頭部の切断と 頭蓋骨の切開と大脳の摘出を担当するなんて・・・ といまさらながら 絶句
だが 解剖実習の助手3人が ピンセットを持ちながら 実習テーブルの間を巡回していて
ジョニのご遺体だけ まだ 頭部と胴体がくっついている状態になってしまった
これはマズイ と慌てたジョニ メスを片手に とりあえず 喉ぼとけ付近から 切断を試みる
だが 気管 外頚静脈 外頚動脈 内径動脈 交感神経 副交感神経 食道
次から次へと さまざまな器官 脈管が現れる
電気店で掃除機を購入したときに 店員が 持ち帰りやすいように テープで商品を幾重にもグルグル巻きにしたのを ハサミで片っ端から切っていく要領で
ジョニ 次々に切断
最後に気管だけ口腔と胴体とを連絡していることになった
気管が切断できないのだ
高齢で気管に石灰化が起き 硬くなっていたのか
とりあえず 気管に切れ目をいくつか入れて 首を持って ぐいぐい頭の方向に引っ張っていくと 最後に スッポン! とフィギアの首のように 頭部が胴体と離れた
あー よかった これでみんなに追いついた と安どしたのを覚えている
頭部切断 は これほど大変な作業になる
若い女性がこれをこなした となると 相当な根気と強い意志があってのことだろう
早くの加害者の確保と事件の解明が待たれる
posted by 美容外科医ジョニー Plastic Surgeon Johnny at 16:36| フランクフルト | Comment(0)
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| 医学・生理学
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