2021年12月22日
死刑執行すると組織学教授が拘置所に急行
死刑執行すると組織学教授が拘置所に急行
昨日2021.12.21 午前に3人の死刑囚が死刑執行されたようだ
小菅で2人 大阪で1人 2年ぶりの執行
ジョニの大学の組織学教授が 死刑執行があると忙しいんだよ と授業中に漏らしたのを思い出した
医学生時代 教養課程から3年生になり専門課程に入ってすぐ
マクロとミクロの解剖学実習が始まる
マクロは生前のご意志で検体していただいた方の身体を文字どおり頭の頂上から足の指先までメスで切開 解剖学の教科書に沿って切り開く
Corda tympani の走行が教科書どおりであることに感動
鼓膜の直下に2-0 絹糸のように顔面神経の枝が埋まっている
解剖学実習は ある意味 海外旅行で ガイド本『地球の歩き方』を確認する旅になるのと同じこと
解剖実習の手びき - 寺田 春水, 藤田 恒夫 を持ち込んで 実際のご遺体と教科書の記載が同じことを確認してゆく
ときどき 破格 に出くわす 教科書の定説とは違う位置で存在する、組織の状態をさす
最大の破格の1つに内臓逆位がある
内臓逆位とは体内の内臓の位置が左右で逆転している状態のこと
耳小骨 ツチ キヌタ アブミ maleus isthmus stapus を摘出したときには その宝石のような不思議な形と組み合わせに みんな感嘆の声を挙げる
記念に持ち帰る者もいたと聞く
ミクロとは顕微鏡レベルでの組織を学ぶもの
組織には上から上皮 内皮 脂肪 筋層 血管などがあり
肺胞や腎臓 肝臓など それぞれ独特の構造と形態を有する
それらをスライス、固定し染色した標本を顕微鏡で観察 スケッチする
毎日毎日 4か月続く実習 HE染色のスケッチに用いる、青と赤の色鉛筆がどんどん短くなる
腎臓 糸球体基底膜がコバルト色に染まっている
ジョニはマッソンゴールド染色が組織をコバルトと金色に染めるので好きだった
学生の時から なぜペニスのきれいな断面を標本にできるのか不思議だった
オニヤンマの顔みたいな 3本の海綿体の断面を顕微鏡で見ながらスケッチするのだ
あれ 死刑囚のだったんだ
死体に群がるハゲタカを思わず想像してしまう
排卵から3日目 7日目 14日目のヒト子宮内膜のスライスもどうやって手に入れるのか不思議だけど
1973年に東京の帝国ホテルで縊死した俳優の大辻 伺郎の全身の骨格標本は 順天堂大学に保存されている
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