2012年04月07日
橋下市長、市音楽団員の配転認めず「分限免職」
現代のクラッシック・バレエは帝政ロシアとソ連なしでは語れないだろう
帝政時代に政府が莫大な予算をつぎ込み、世界中から指導者を集めて高度な教育を施し、バレエといえばロシアといわれるまでになった基礎は、ロシア革命後、さらにに拡大、強化され系統化された
第二次世界大戦後間もなくソ連を訪問した英国のバレエ関係者は「ソ連バレエの『白鳥の湖』に較べたら、イギリスの『白鳥の湖』は『あひるの池』だ」と嘆いた
ガリーナ・ウラーノワ(1910-1998)が、ソ連文化使節としてイタリー共産党支援のために、フィレンツェで公演したときにはアメリカではチャーター機を頼もうというバレエ・ファン・グループが出るほどだったという
芸術は ランの花のようなものだ
つねに細心の注意と愛情をもって見守り育てなければ あっという間に根元は腐敗する
さて それと比べるに 日本である
ハシズムのあの男とおなじことをしてクラシック音楽の息の根を止め、芸術の精緻を奈落の底に突き落としたのが1963年の住谷 啓三郎 高崎市市長
日本で朝比奈隆 & 東京都交響楽団の ブルックナー などとともに特筆すべきレベルの高さの大きな存在が 「群響」
群馬交響楽団(ぐんまこうきょうがくだん、Gunma Symphony Orchestra)は、群馬県にある常設のオーケストラで日本の地方管弦楽団の草分け的存在
音楽監督 高関健指揮のもと4ヶ国を巡る海外公演を実現
翌1995年の創立50周年には 東京及び群馬県内各地でベートーヴェン交響曲連続演奏会を行い、2001年からは、日本の音楽界を牽引している楽団として、文化庁の「芸術創造推進事業(アーツプラン21)」支援団体に指定されている
『花よりダンゴ』の住谷 啓三郎は クラシック音楽など理解を越えた疎ましい存在だったのだろう
1963年、群馬交響楽団の運営をめぐり楽団員32名のうち21名が退職届を提出する事態に発展した
会長の住谷 啓三郎(高崎市市長)は「去るものは追わない」として提出された退職届をそのまま受理するなどした
この男にずたずたにされた群響
今日の隆盛はこのときより30年を待たなければならなかった
今回の音楽音痴の橋下の芸術への仕打ちはどのくらいのダメージになるのか 見当もつかない
ま これも 彼を選んだ大阪市民の民意だろう 偉大なり民主主義 笑
以下は押し紙の読売の報道から
さすが 読響 を抱えるだけあって たまにはきっちり報道するね
(以下引用)
大阪市の橋下徹市長は5日、市が同日発表した施策・事業の見直し試案で「2013年度に廃止」とされた市音楽団の音楽士36人の処遇について「単純に事務職に配置転換するのは、これからの時代、通用しない。仕事がないなら、分限(免職)だ」と述べた。
市改革プロジェクトチームの試案では、音楽団を「行政としては不要」としつつ、市が正職員として採用してきたことから、「配置転換先を検討」としていたが、橋下市長は「分限(免職)になる前に自分たちでお客さんを探し、メシを食っていけばいい」と述べ、配置転換を認めない意向を示した。
市音楽団は1923年に発足。国内唯一の自治体直営の吹奏楽団で、市公式行事での演奏や有料公演などを行っている。市は公演収入などを差し引いた運営経費や人件費として年約4億3000万円(2010年度)を負担している。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120405-OYT1T01403.htm
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