実家のピアノの音がおかしいとずーっと思っていた
激しい曲を演奏してみても、なんか鍵盤から10センチ先までしか共鳴してないようなピアノの鳴りかたなのだ
わたしのピアノの先生はSTEINWAY持っているから ヤマハのことは知らないだろうし・・・
わたしのピアノはYAMAHAのC3
同社グランド・ピアノのシリーズのなかではいちばん小型だが上半身に響いてくる明るい音色が好きだった
毎年 調律は欠かさずしているのに年々 音が悪くなっていくのには我慢できなかった
去年 名古屋を本拠地とするネット専門のピアノ調律の派遣会社は酷かった
口コミなどなにもチェックせず、グランド・ピアノでも調律は1万円 というのに惹かれて依頼したのだが・・・
母の話では、20代の女性がフラっと現れるや、ものの30分で調律を終え、逃げるように去っていったという
あらかじめ、わたしがピアノの問題点を書き出して、調律師に見せるように母に頼んでおいたのだが、それもみごとにその女性にかわされたようだ
調律直後に試弾しても音色も 音の張りもまったく変化なしで不信感が募った
メールで何度か苦情を伝えると そのネット調律会社の経営者が新幹線でやってきて再調整してくれたが まったく変化はみられなかった
で、今年メキシコ出張から帰国してすぐに クリニックの近くのヤマハ直営店に出かけ調律を依頼した
ついでに“経験豊かな男性の調律の方で” とリクエストさせてもらった
すごくいやらしい依頼の仕方だが、ほんとに前回のことでトラウマになりそうだったので
ある7月の日曜日 現れたのはメガネをかけた、髭の剃りあとが青々とした40代、理系のサラリーマン風の男性調律師だった
わたしの観ているまえで あっという間にピアノを鍵盤、鍵盤の蓋、響板カバーなどにバラしていく
弦を打撃するハンマーの下からいろんな物が出てくる
いちばん驚いたのは メトロノームの重りを中から発見できたこと
カチッ、カチッと規則ただしく左右に振れる、細長い金属棒に付属している重りだ
あとコピー用紙にたくさんの輪ゴム
はじめて ピアノ調律でそんなモノを見つけた
いままでの調律がいかにテキトーだったのかよく判った
彼にはいろんな興味深い、ピアノの構造へのレクチャーをしていただいた
調律にかかった時間 2時間15分
お値段はそれなり だったがたくさんのサービスもしていただいて感謝している
いちばん感動したのは その音の響き方
ハンマーがピアノ線を叩いた音が金属版ー響板に共鳴して ピアノ全体からド−ン と湧きでてくる感じなのだ
いままでの ナマクラな音とは比べものにならない
やはりモチは餅屋なのだ
ネットでの価格だけで 選んでいた自分を恥じた
心なしか 前よりピアノが上手くなっている気がした
来年も彼に依頼しようと思っている
2010年08月27日
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すごく素敵な出会いですね!!
読んでいて鳥肌が立ちました。
ピアノもすごく喜んでいることでしょう(*^^*)
ネットで調律師派遣もあるのですね。
ネットはどんなものもあるけれど、ほんの一握りの本物を見つけるのは至難の業ですよね(>_<)
できるのと極めているのは違いますものね☆
どんな職業でも経験からくる職人技は見ていて感動します(*^^*)☆
だから私は、自分の携わったことのない、
すべての職業にすぐ感心してしまいます(笑)