2018年06月11日

きょうのことば 里帰りをさせてあげたい


 



岡山大学 臓器移植医療センター長 大藤剛宏氏は 知られた生体肺の移植専門医

彼の移植チームが軌道に乗り始めた頃に 40代女性の脳死肺移植があった


彼女は「落ち着いたら旅行に行きたい」


「どちらへ?」


「北海道へ」


「カニが美味しいですね」
と言うと

女性は微笑んだ


「里帰りをさせてあげたいのです」


肺のドナーは北海道の人だったのだ




DOCTOR'S MAGAZINE 2018 6月号より 引用




なかなか ここまで配慮できる患者は少ない


というよりも いかにも日本人的な発想


脳死した人は 肉体が完全に死滅したわけではない


移植された女性の体内で 生 を紡ぎ続けるのだ



自身の子が脳死

その臓器を提供されて 元気になったドナーの患者のもとを

死んだわが子に会いに行く感覚で 毎年 会いに行く親もいる


これとて レシピアント側 移植を受けた患者や その家族の感謝と理解がなければ 受け入れられないだろう























posted by 美容外科医ジョニー Plastic Surgeon Johnny at 12:30| フランクフルト | Comment(3) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする